外国のおすすめ小説

外国の小説家のおすすめ小説のコーナーです。

歴史小説・恋愛小説・推理小説・ミステリー小説・現代小説・純文学など、読書好きで小説ファンのわたしが、最近話題の本やこれまでに読んだ本のあらすじや感想、書評、そして、面白いおすすめ小説を紹介しています。

特に、ここに『 おすすめ小説 』として紹介した作品は、わたしが読んだ外国の小説家の本の中から、『 感動した小説 』や『 おもしろい小説 』 などを管理人の独断と偏見で選び、各々にあらすじや感想、書評を記載して一覧にしたもので、これからも随時更新していく予定です。



★ シンプル・プラン

スコット・B・スミスさんの作品

シンプル・プラン

おすすめ度


現代社会に潜む欲望と人間の心理をリアルに描いたスリラー小説です。

それは、ある雪の日の夕方の出来事であった。
主人公のハンク・ミッチェルは、借金を苦に自殺した両親の墓参りに向かうため、兄とその友人とともに町はずれの道を車で走っていた。
その途中、偶然に墜落した小型飛行機の残骸とパイロットの死体を発見してしまう。
しかし、その残骸の中には、440万ドルという大金が詰まった袋が隠されていた。
3人にとって、それは今まで何も希望が持てなかった人生を変える大きなチャンスだった。
そこで彼らは、何も危険がなく誰にも害が及ばないことを自らに納得させ、ごくシンプルな計画をたてた。
だが、そのシンプルであった計画も、ちょっとした歯車の狂いが彼らの人生を大きく狂わせてしまうことになる・・・。

最も冷静で賢かったはずの男が、大金という欲望に負け、己れを見失い狂気に走ってしまう。
そこには、欲望に駆り立てられていく人間本来の心理をリアルに描いていて、背筋が凍るような無気味さを感じました。
所詮は、「悪銭身につかず」、なんだということを改めて思い知らされる小説であったと思います。

★ ハンニバル

トマス ハリスさんの作品

ハンニバル1

おすすめ度


『羊たちの沈黙』の続編作品です。

前作 『羊たちの沈黙 』で、逃亡して自由の身になった怪物、ハンニバル・レクター。
いま彼は、一人イタリアで優雅な生活を送っていた。
一方、あの連続殺人犯を射殺したスターリングは、麻薬密売組織との壮絶な銃撃戦に引きずり込まれ、FBIとして苦境に立たされていた。
そんなピンチに直面したクラリスのもとに届けられた一通の封筒。
その差出人は、あのレクターだった。
しかし、その行為が、金にまかせてレクター狩りに狂奔するメイソン・ヴァージャーに嗅ぎつかれてしまう。
そして、この時からメイソンの残虐な復讐計画の実行が始まった。
メイソンの触手をかわしながら返り討ちを図るレクターであったが、クラリスに執着したことからついに・・・。

教養も知性も兼ね備えつつも、猟奇的な怪物であるレクターがスターリングに寄せる愛情とのギャップに、どことなく切ない気持ちを感じずにはいられません。
一方、こんな残忍な復讐をよくも考えたと思えるほど、メイソンの思い描いた復讐劇のおぞましさに驚くとともに、真の悪とは何かを考えさせられる作品でした。

★ ダ・ヴィンチ・コード

ダン・ブラウンさんの作品

ダ・ヴィンチ・コード1

おすすめ度


殺人ミステリーの醍醐味と、知的で明快なスリラーを見事に創造した小説です。

閉館後の静寂に包まれたルーブル美術館で起きた殺人事件をきっかけに、明るみに出た不吉な筋書き。
それは、キリストの時代以来、ある秘密結社により守られてきたベールをはがすものだった。
殺人の被害者は、古くから連綿と続くその秘密結社の総長。
彼は死の直前、不気味な暗号を犯行現場に残していた。
その暗号を解くことができるのは、被害者の孫娘で著名な暗号解読者でもあるソフィー・ヌヴーと、高名な象徴学者のロバート・ラングドンのみ。
ふたりは事件の容疑者となる一方で、ヌヴーの祖父の殺人事件のみならず、彼が守り続けてきた、古くから伝わる驚くべき秘密の謎をも調べ始める。
警察当局と危険な競争者の追跡を間一髪ですり抜けながら、ヌヴーとラングドンは謎に導かれるまま、息つく間もなくフランスとイギリスを、そして歴史そのものを駆けめぐる。
そしてふたりは、モナリザの微笑みの意味から聖杯の秘密にいたるまで、西洋文化の大いなる謎をめぐる知的かつ魅力的な探索に乗り出した・・。

著者ブラウン氏の解釈の真偽については賛否両論がありますが、その推測のなかにこそ、本書のおもしろさがあると思います。
思わず引き込まれ、一気に読んでしまいました。豊かな思考の糧となる1冊です。

★ 法律事務所

ジョン・グリシャムさんの作品

法律事務所

おすすめ度


エリート青年弁護士を追い詰める黒い罠、スリル満点のサスペンス小説です。

苦学の末、ハーバード大学ロースクールをトップで卒業した野心満々の主人公・ミッチ。彼が就職したテネシー州メンフィスの名門法律事務所は、過酷な労働の対価として、超破格の待遇を用意する。
恋人とともに希望に満ちた人生に胸を躍らすミッチであったが、その事務所の背後には恐ろしい秘密が隠されていた。
そこでは過去に何人もの弁護士達が不可解な死を遂げていたのだ。そして、その真相を知ったミッチは、マフィアとFBIの双方から追われることになる。

主人公を追い詰めるマフィアやFBIから逃走するというスリリングな展開と、主人公が絶体絶命の危機を知恵と駆け引き、そして決断力の早さで乗りきっていくところが圧巻でした。
最初から最後まで読み出したら止まらない面白い作品です。

★ アルジャーノンに花束を

ダニエル・キイスさんの作品

アルジャーノンに花束を

おすすめ度


生まれながらに幼児知能しかない主人公が、知能増強手術を受けて超天才に変貌するが、次第にその知能も後退していく物語で、感動のSF小説です。

32歳でIQ68のパン屋の店員チャーリイは生まれながらの知的障害者である。
しかしある日、科学者からの突然の申し出を受け、頭をよくする手術の実験台となる。
そして、ある日を境にどんどん頭が良くなり、遂にIQ185の超天才となった。
だが、手に入れた知能や自尊心と引き換えに、皆から愛された以前の無邪気さや純粋な心が失われ、憎しみや孤独の感情が芽生える。
そんな時、同じ実験を受けた天才ハツカネズミのアルジャーノンに急速な知能の後退が始まった。

作者が、「思いやりなき知性は無意味である」と語っているように、どんなに高い知能があったとしても、他人への思いやりの心を失ってしまっては、人としてその存在自身が無意味である事に気付かされました。
知能が衰退しても思いやりの心を忘れなかったチャーリーは、人間として素晴らしい知能の持ち主であったと思います。
今日の社会において、余りにも心ない事件が多く発生することに、心を置き去りにした文明発達への批判と警鐘が込められているような気がします。

★ ペリカン文書

ジョン・グリシャムさんの作品

ペリカン文書

おすすめ度


ロースクールで学ぶ女子大生を主人公にした、巨大な国家的陰謀とその戦いを描いた推理サスペンス小説です。

ニューオーリンズのロースクールで学ぶ美しく、聡明な女子大生ダービー・ショウ。
その彼女の知的好奇心から、FBIでさえ解決できない最高裁判所の判事二人の殺人事件を推理し文書にまとめた。
だが、その「ペリカン文書」に記された彼女の推理は、政府の最重要機密に触れるレポートだったことから、事件の背後に潜む組織から命を狙われる。
巨大な国家的陰謀の真実を証明するために戦うダービー・ショウと協力者の新聞記者グランサム。

彼女が推理した「ペリカン文書」によって解き明かされていく衝撃の事実と物語の展開の面白さ、そして、アメリカという大国の恐ろしさとその抱えている問題が伝わってくる作品でした。






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